債権回収

裁判を起こすときに裁判所は好きなところを選べるのですか?

選べる裁判所は限られています。
裁判を起こす裁判所は,管轄のある裁判所に限られています。

管轄とは,各裁判所間の事件分担の定めをいいます。
管轄のうち,土地管轄について,説明しますと,原則として,訴えは,被告の普通裁判籍の所在地に存することになります。普通裁判籍は,(住所があればですが)住所地となります(民事訴訟法4条1項,2項)。
たとえば,町田の人が沖縄の人に対し,請求をする場合は,那覇地方裁判所に対して訴えるのが原則となります。
これは,訴えられた人はいわば受動的に裁判に応えなければならない立場となることに鑑みて,その訴えられた被告にとって不利益がないよう配慮する趣旨です。

上記原則には例外があります。例えば,財産権上の訴えであれば義務履行地にも管轄があります(民事訴訟法5条1号)。そのため,町田でお金を払うはずの契約であったのに,払ってくれないのでお金を請求するといったような裁判を起こすのであれば,東京地裁立川支部にも管轄があることになります。
管轄のある裁判所のうちからであれば,裁判を起こす側の人が好きな裁判所を選択することができます。