離婚問題

養育費の金額はどのようにして決めるのでしょうか?

養育費の額については,家庭裁判所のこれまでの実務の基本的な考え方に基づく「簡易迅速な養育費などの算定を目指して-養育費・婚姻費用の算定方法」に示された養育費の算定方式及び養育費算定表を活用して決められています。

算定の手順としては,まず,養育費を支払う人と受け取る人の基礎年収(給与所得者の場合は,給与所得の源泉徴収票の「支払金額」に所得に応じた定数を乗じて算定しているもの。)を認定します。
次に,父母双方に子の生活保持義務があるとの前提で,子が養育費を支払う人と同居していると仮定した場合の子の生活費を算定します。なお,生活費の算定は少し複雑で,生活保護基準及び教育費に関する統計から導き出される「標準的な生活指数」というものを使います。
この標準的な生活指数は,親を「100」とした場合,15歳未満の子については「55」,15歳以上20歳未満の子については「90」です。
そして,「子の生活費=養育費を支払う人の基礎収入×子の指数÷(養育費を支払う人の指数+子の指数)」という計算式で,子の生活費を導き出します。

例えば,父が養育費を支払うことになる場合,父の基礎収入が500万円であり,5歳の息子がいる場合,子の生活費は,500万×55÷(100+55)≒177万4193円となります。

最後に,子の生活費は,父母それぞれが負担能力に応じて分担すべきであるとの前提で,養育費を支払う人と受け取る人の基礎収入の割合で按分して,支払うべき養育費の額を算定します。

たとえば,子の生活費が200万円で,養育費を支払う父の基礎収入が500万円,養育費を受け取る母の基礎収入が100万円であった場合,養育費の額は,200万×500÷(500+100)≒166万6667円(年額)となります。

なお,上記計算で導き出される養育費には公立中学・公立高校に関する学校教育費を含んでいますが,養育費を支払う人が私立学校への入学を承諾した等の事情が認められ,費用を負担させることが相当と判断される場合には,その相当とされる範囲で学校教育費が加算されることがある等,様々な注意点があります。
また,養育費算定表は,基礎収入と子どもの年齢及び数に応じた早見表になっており,広くウェブ上などで公開されているので,ご参照ください。

詳しい内容やお困りの場合は、是非、当事務所にご相談ください。

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